ナーデルマン・ハープ 【18世紀オリジナル楽器】

Nadermanナーデルマン製作、1775年パリ。37弦GG-a”’。フランス王妃マリー・アントワネット御用達のハープ製作家ナーデルマンによるオリジナル楽器。シリアルナンバーは29号と刻印があり、残る資料とも形、タイプが合致します。深い緑色と金色、美しい装飾から、身分の高い持ち主を象徴したデザインとみられます。ナーデルマン製作の現存するものとして初期のハープは珍しいですが、とくにこのハープはアクションがほぼオリジナルのまま、新しい部品を最小限にとどめ、丁寧な修復が施されました。ドイツの修復家より注意書きとして「240年眠っていた貴婦人と思って、敬意を抱いて目覚めさせてあげなさい。決していまのコンサート・ハープから遡る延長線上ではなく、むしろ古い中世やルネサンスから続く繊細な奏法のハープであることを忘れずに。」と手紙が添えられました。たしかに当時の貴婦人たちの手がどれほどセンシブルであったかが伺える弾き心地がします。
アントワネットは好んでクラヴサン(チェンバロ)やハープを演奏したことでも知られていますが、タンプル塔で軟禁されていたときもハープは側にあり、毎朝娘にレッスンをしたり、ハープは生涯の友であったようです。