講師プロフィール

西山まりえ Marie Nishiyama(チェンバロ&ハープ)
 チェンバロとヒストリカル・ハープ2種の古楽器を自在に操る希有なプレーヤーとして世界的に知られ、数多くのコンサート、音楽祭や録音に参加。ルネ・ヤーコプス、カルロス・ニュネス、ミカラ・ペトリ、山下洋輔、波多野睦美、藤原道山、森山開次など幅広いジャンルに亘るアーティストとの共演は常に多くの反響を呼んでいる。国内外レーベルでの録音はその多くが「レコード芸術」特選盤や朝日新聞推薦盤に選ばれるなど高く評価されている。2019年リリースの「J. S. バッハ:トッカータ集」は、令和元年度文化庁芸術祭参加作品、朝日新聞推薦盤、「レコード芸術」特選盤に選ばれた他、様々な雑誌で採り上げられ話題となっている。銀座・王子ホール主催シリーズ「西山まりえの歴女楽」では歴史と音楽を題材にレギュラー出演し、好評を博している。東京音楽大学ピアノ科卒業、同大学研究科チェンバロ科終了後、ミラノ市立音楽院、バーゼル・スコラ・カントールムに留学。第11回山梨古楽コンクール・チェンバロ部門第1位(第23回同コンクール審査員)および栃木[蔵の街]音楽祭賞受賞。「信州アーリーミュージック村音楽祭」芸術監督。武蔵野音楽大学非常勤講師。

クレール・ルフィリアートル Claire Lefilliâtre(声楽)
 カーンのコンセルヴァトワールにてディプロマを得た後、バロック時代の歌と表現の魅力に強く惹かれ、歌をアラン・ビュエ、ヴァレリー・ギヨリ、そしてバロックの朗唱法と表現法(ジェスチャー)をウージェンヌ・グリーン、バンジャマン・ラザールの下で確立する。身体と声との関わりの重要さへの思いから、パリの国立アレキサンダー・テクニック・センター (Centre de Formation Technique Alexander) ディプロマ・コースでアニエス・ブリュノフに師事する。ル・ポエム・アルモニークをはじめとし、数多くのアンサンブルと共演。オペラ、歌曲にとどまらず、型にはまらない新しいプロジェクトを生み出すなど、名実ともにフランス・バロック界を代表するカリスマ的存在である。また、教育への強い情熱を持ち、世界各地でマスタークラスを行い、受講者からの信望も厚い。度々来日しており、その心に響く歌唱力で、日本にも多くのファン持つ。

上村かおり Kaori Uemura(ヴィオラ・ダ・ガンバ/コンソート/アンサンブル上級)
 彼女のガンバ人生はすでに長い。12才でヴィオラ・ダ・ガンバに出会い、ガンバから離れられずに、結局、上野学園で(大橋敏成に師事)さらにブリュッセル王立音楽院(ヴィーラント・クイケンに師事)で勉強した。その後、拠点をブリュッセルに置いたまま、ガンバ奏者として現在に至るまで、全ヨーロッパ、南北アメリカ、オーストラリア、アジアで演奏録音活動をしている。大学時代に、またその後多くの師達から、ガンバ奏者としての膨大な基礎を習えたこと、そして情熱ある仲間達との実践から経験を積むことができたことは、幸運であった。おしゃべりな気質も相まって、世界中の多くのアンサンブルに携わってきたが、ソロCDを録音して、自分軸と一致する新たな境地を開拓中。ブリュッセル王立音楽院講師。

細岡ゆき Yuki Hosooka(リコーダー/アンサンブル初中級)
 上野学園大学リコーダー専攻卒業。リコーダーを山岡重治、濱田芳通、ヒストリカル・ハープを⻄山まりえ、声楽を阿部早希子の各氏に師事。ヴァルター・ファン・ハウヴェ、コリーナ・マルティ、ロベルタ・マメリ、ドロン・シュライファー、ジル・フェルドマンのマスタークラスを受講。モンテヴェルディ「オルフェオ」パストーレ、「オルフェオ物語」バッカスの巫女⻑、「モンセラートの朱い本」NHK BSプレミアム『クラシック倶楽部』など、リコーダー奏者兼歌手として出演。2021年、生誕350年にあたる「アントニオ・カルダーラ記念アンサンブル」として、東京・Hakuju Hall、札幌・ふきのとうホールで「知られざる名曲を求めて」と題し、オペラ「オリンピーアデ」公演を行い好評を博す。2022年「知られざる名曲を求めてVol.2」では、アレッサンドロ・スカルラッティの室内カンタータを、またテレマンの声楽作品「音楽による礼拝」を取り上げ、話題を呼んだ。「リコーダーアンサンブル百花繚乱」メンバー。「アントニオ・カルダーラ記念アンサンブル」代表。

矢野 薫 Kaoru Yano(コレペティトール)
上野学園大学音楽学部器楽学科ハープシコード専攻卒業。ハープシコード、通奏低音を渡邊順生・西山まりえ・戸崎廣乃、室内楽を故大橋敏成、オルガンを小林英之、バロック・ハープを西山まりえ、初期バロック音楽を濱田芳通の各氏に師事。在学中よりソリスト及び通奏低音奏者として各地で演奏活動を行う。フランス、シャロン・アン・シャンパーニュ国際音楽祭、目白バ・ロック音楽祭【デビューリサイタル】等国内外の音楽祭に出演。現在、ソロ活動やアンサンブル《gmt》など小編成での演奏活動の他、大規模なオペラや宗教曲など様々な公演、レコーディングに、チェンバロやオルガン、ハープの通奏低音奏者として活動の場を広げている。

石川りほ Riho Ishikawa(コレペティトール&通訳) 
 幼少期より古楽に関心を示しチェンバロも並行して学び、東京学芸大学卒業後チェンバロに転向。2017年フランス・リヨン国立高等音楽院に留学し、古楽科修士号を取得。これまでにピアノを奈良場恒美、三村則子、チェンバロを西山まりえ、野澤知子、ジャン=マルク・エーム、イヴ・レシュタイナー、ディルク・ベルナー、アンヌ=カトリーヌ・ヴィネー各師に師事。また日本やヨーロッパにてコリーナ・マルティ、クリストフ・ルセ、ケネス・ヴァイス、ベルトン・キュイエール各師のマスタークラスを受講。2019年ボローニャ国際チェンバロコンクールで入選、2022年度フランス音楽芸術著作権管理協会アダミより奨学金を受賞。現在はフランス、リヨンを拠点に活動。リヨン・オペラ座、リヨン国立管弦楽団、オーヴェルニュ管弦楽団、マルセイユ・オペラ座と共演。また数々の古楽アンサンブルのメンバーとして、ヨーロッパ各地で演奏する。2022年にはスイス、ヌーシャテルの美術館にて1632年製ルッカース、オリジナルチェンバロを使用しリサイタルを行う。ブザンソン地方音楽院、ディジョン地方音楽院を歴任、現在、マルセイユ地方音楽院講師。