ピアノの歴史を探るミステリー・コンサート|中世ヨーロッパの鍵盤音楽|クラヴィシンバルム ポルタティーフ・オルガン(オルガネット)|神奈川県立相模湖交流センター
鍵盤楽器の歴史は、チェンバロからフォルテピアノへ、そして現代のピアノへと続く進化の道筋が一般的ですが、実はその遥か前、時代の記憶に埋もれた鍵盤楽器たちが存在していたのです。いにしえのヨーロッパの鍵盤楽器たち――その姿は、時代の流れとともに消え去ったかに思われていました。しかし20世紀に入り、現存する楽器や資料、絵画、壁画などの発見と研究によって、その当時に輝かしい音楽シーンの主役であった本来の姿に修復、また復元されるようになりました。
注目すべきは、チェンバロよりもさらに古い「クラヴィシンバルム」や「クラヴィツィテリウム」といった楽器たち。15世紀、アルノーによって描かれた設計図(現在はパリ国立図書館に所蔵)をもとに、現代の名工たちが手がけ、ついにその優雅な音色が蘇りました。まさに“音のタイムカプセル”が開かれた瞬間です。
そして驚くべきことに、これらの楽器の中には、なんと1400年代の時点で“ピアノの原型”とも言える構造を持つものも。楽器史に新たな光を当てる、まさに歴史的ミステリーともいえる発見です。ブルゴーニュ地方、イタリア、スロベニアなど、ヨーロッパ各地で奏でられていたこれらの鍵盤楽器は、当時は非常に高価な存在であり、限られた貴族だけが楽しめる贅沢な嗜みでした。天使が楽器を奏でる中世の絵画にも、その姿を見つけることができます。
今回の公演では、《久保田チェンバロ工房》製作による3台の中世鍵盤楽器と、《マナ・オルゲルバウ》による1台のオルガンが登場。いずれも日本を代表する名匠たちが魂を込めて制作した、時代を超えた名器たちです。
その音を響かせるのは、中世音楽のスペシャリストとしても名高いチェンバロ&ハープ奏者・西山まりえ。遥か昔のヨーロッパに思いを馳せながら、失われた音の風景をご堪能ください。
- 開催日
- 2025年7月5日(土)
- 開演
- 14時00分
- 開場
- 13時30分
- 出演
- 西山まりえ(クラヴィシンバルム2種/クラヴィツィテリウム/オルガネット)
- プログラム
- シビラの預言書:シグエンサ図書館蔵写本より「聞きなさい、彼女が何を言ったのかを」
アルフォンソX世編纂: 聖母マリアのカンティガスより「神の母よ」
編曲者不詳/原曲ギョーム・ド・マショー:ファエンツァ写本より「恥じらい、恐れ、心配を」
編曲者不詳/原曲ピエール・デ・モラン:ファエンツァ写本より「どうかしている人の考えることは」
ほか ※曲目は変更になる場合がございます。 - 会場
- 神奈川県立相模湖交流センター ラックスマンホール
- 料金
- 全席自由:一般 3,000円/友の会・シニア 2,000円/学生・障がい者 1,500円
チケット購入の際に学生証・障がい手帳をご提示下さい。未就学児入場不可 - 主催
- 神奈川県立相模湖交流センター(指定管理者アクティオ株式会社)
- 後援
- 相模湖観光協会 藤野観光協会 寿会 根本芸能企画 根本信平 相模湖芸術・文化のまちづくり実行委員会
- 協力
- 久保田チェンバロ工房/マナ・オルゲルバウ
- ご予約・お問合せ
- 神奈川県立相模湖交流センター Tel. 042-682-6121(9:00-21:30 月曜休館※月曜祝日の場合翌日)
- 公演詳細
- 相模湖交流センターHP

