フレンチ・チェンバロ
(独:チェンバロ、英:ハープシコード、伊:グラヴィ・チェンバロ、仏:クラヴサン)チェンバロは鳥の羽軸が弦をはじく構造で出来ています。このチェンバロは、フランスのクラヴサン製作家ブランシェ一門の最も才能ある一人、パスカル・タスカンのモデルによる2段鍵盤です。この鍵盤が複数あることにより、それぞれ音色の違いやまたは融合のさせ方の工夫も可能で、優雅で繊細な響きもパワフルでゴージャスなサウンドも存分に楽しめます。白鍵と黒鍵が反対になっている理由は、18世紀に演奏する貴婦人たちの手が鍵盤上でより白く美しく、見栄えがよくなるように色を反対にした…との説も流れているようですが、実際はっきりとしたことは謎に包まれています。当時もそれぞれチェンバロには装飾がほどこされ、響きの美しさと共に典雅な色合いやサウンドボードに描かれる動植物の絵なども愉しみとなる楽器です。バッハもチェンバロをこよなく愛し、この鍵盤楽器は18世紀中頃に向かって隆盛を極めました。